セブン&アイの会長鈴木さんが取締役会長職を辞任しました。「私の言うとおりにならないから、もうヤーメタ」と言うことですね。それについて、元アナリストの友人からメイルをいくつか頂きました。それには、

「今頃遅いのでは、、、」とか「これで会社は良くなるのか、、」とか「ガバナンスが効いたようなことをメデイアは言っているが、効いてなかったから、今まで引きずってきたのではないか、、、」とか、「これでセブン&アイは立ち直るのか、、、」などという意見が盛り込まれていました。

鈴木会長の困ったところとして「どうやらワンマンで、最高人事からお弁当の味まですべて首を突っ込んできた」と言われています。ま、言ってみれば、常に社員を叱責して恐怖政治を行ってきたらしいですね。私の記憶では、鈴木会長は「いつも私が社員に言っているのに社員はわからない」と自分は正しくて、社員が間違っていると公然とマスコミに話していました。こういう社員の出来の悪さを経営者はたまにマスコミに言いますが、社員の悪口をマスコミなどに開陳することは、禁じ手ですね。

また、今回は強引に成績の良かった社長の首を挿げ替えようと提案したらしいですが、過半数の取締役会のメンバーが反対したそうです。そのほかには「サードポイント」と言うアメリカのファンドも、反対していたそうですね。このファンドはソニーに対してもエンタテインメント事業を分離して上場したら危機を乗り越えられると提案してソニーの役員に嫌われ全員一致で反対されてしまいました。それは実に画期的な改革案だったのですが。

イトーヨーカドーの創業者の伊藤雅俊氏は、世界に目を開き、目標を大きく持って経営していましたが、鈴木会長は内向きで、それこそガバナンスなど眼中にないという(いや、それよりも、もしかして、理解もしていなかった)姿勢でしたので、多くのアナリスト、ファンドマネジャーは困惑していました。「わたしたちは投資家ではありますが、鈴木氏とでは真の理解は得られない」とコミュニケイションをあきらめていた人たちが多かったのです。

株価は何を物語るのか、オリックスの会長宮内義彦さんがやめたときにオリックスの株価が上昇したように、鈴木さんが辞任を表明した次の日、セブン&アイの株価は上がりました。