知る人ぞ知る競馬番組で有力なスカパー ch688では毎日曜日に知名度の高い競馬ファンを競馬場に迎えて一日の馬券を楽しむ映像を取っています。放映は日曜の夜10:00です。最近は草野 仁アナウンサー、見栄春、清水アキラなどが馬券で大騒ぎしました。

まず見栄春ですが、なかなかの競馬通で、時にはスポーツ紙などの公式の場所でも予想を頼まれることもあるようです。本人は3連単だけ買うようで、1000倍(つまり100円の馬券が10万になる倍率)にならなければ取った気もしないと嘯いています。

このひとは馬はあまり見ないようです。パドックも返し馬も無視してひたすら専門誌に首を突っ込んでいます。当日は、スタートの1レースから外して、なかなか挽回できないで、ツキがなかったら当たらないのではないかと思わせるほど、当たらないのです。すでにいちにちが終わろうとする12レースで、50万以上の赤字でした。最終レースで、よくある話ですが、見栄春は逆転の大穴を取ろうとして失敗。それでもあまり顔色も変えずに帰っていきました。買い方は参考にはなりません。何しろヒトレース3連単だけで5万も買っているのですから。

草野氏は見るからに理性的で、大騒ぎや大声は出しません。それでも馬券が当たると嬉しいので、ニコニコしています。この日、草野氏はあまり当たらず、「まあこんなことはよくあるのでね」と平然としていましたが、最後はやはり悔しいのでしょう「損はしましたが、楽しかったです」というせりふを残して競馬場を去りました。草野氏は15万くらいの損を出していたようですが、やはり勤め人ですから、そこは芸能人とは違って大金はつかいません。

清水アキラ氏は3度目の登場です。1回目は見事に100万以上の儲け、2度目が80万の損、そして今回が3度目。ポルシェを駐車場に乗り付けて意気揚々です。この人は馬を良く見ます。パドックに張り付いて、記者の予想に惑わされずに、自分で有力馬を見つけます。また返し馬もしっかり見ています。馬が走るのを喜んでいるのか、嫌がっているのか、よく見ようとしています。その態度は立派ですね。こういう芯の通った馬選びはきっ高い配当となって戻ってくるに違いありません。ただ当日はウンがなく100万近い損を出しました。達人たちもみな一生懸命ですが、なかなか大きく当たりません。あてる醍醐味をあじあわないまま一日が終わろうとしています。哀愁漂う瞬間です。

彼らを見て私は安心してしまいます。確かに賭ける金額は大きいです。大穴も時には当てています。しかし、当たらないときもしょっちゅうのようです。彼らは大向こうを狙って、大穴を当てて存在を誇示したいようです。実際彼らは12レースのうち2レースくらいしか当たりません。しかも大赤字です。つまり、こと競馬に関する限りは、有名人であってもわれわれ市井の人と同じなんですね。そういう意味では競馬番組にもかかわらず、なんとも教訓的ですね。

私が見た限りでは、経済評論家の山崎元氏の馬券が見事でした。ただテレビ番組としては視聴者はあまり面白いとは思わなかったのではないでしょうか。