1月25日中山競馬場ではAJCC杯(アメリカンジョッキークラブカップ杯:G-2)のレースが実施されました。圧倒的な人気の、本来はG-1レースに出てしかるべき、ゴールドシップがG-2 グレードレースに出てきたのです。実力が違うので、当然単勝人気は1.3倍。硬い硬いレースになるとファンも専門家たちも疑いもなく予想しました。それにはそれなりの理由があったようです。厩舎側も、競馬の記者も言っていましたが、攻め馬が最近にない好調で、安心して頼れる馬の調子だったのです。ですから、単勝倍率が1.3倍という人気に押されました。

ところが、スタートはすっと無事に出たものの、相変わらずいつものように行き脚が付きません。つまり他の馬のように加速しないのです。まあそんなところかなと思ってみていたら、はや馬群は3-4コーナーに差し掛かりました。岩田は懸命に押しているようでしたが、ここでも加速しません。おかしいなと思いました。このあたりで、つまりゴールまで3ハロン(600メートル)手前で先行の馬に接近していないと、直線ではごぼう抜きなどできないのです。特に、ゴールドシップは素早い脚は無いですが、長く足を使えるのですから。600メートルを使って先頭にくっつくという競馬のスタイルなのですね。

おかしいな、もう間に合わないな。と思いました。「またやったな」と思いました。この前、絶対人気のこの馬は期待を裏切り、やはり走らなかったのです。馬のことですからどうしてさぼるのかわからないのですが、私が今回気になったことは、「もしかして、あれかな?」

ゲートに入りがちょっと悪くて、よくゲートのうしろではやることですが、きゅう務員がゴールドシップを鞭でたたいたようなのです。ゴールドシップは突然しりっぱねしました。

「怒らしたな」とわたしは思いました。

ゴールドシップはそれでなくとも神経がこまやかのようで、岩田騎手も攻め馬の時はよく、「馬と会話をしてお互い理解し合う」と言っていましたから、怒らせてはもう騎手の言うことは聞きません。私は(ちらっと見ただけですが)、今回の敗因はこのムチだったのではないかと思っています。このムチですっかりやる気を失った(誇り高き)ゴールドシップでした。このきゅう務員はきっとゴールドシップを外して穴馬券を買っていたのかも。