せんだって、私は男性の興味をさらけ出して、好ましい3人の美女を自薦しました(それは中野信子、山口真由、そして友利新さんです。今回は4人目の美女を見つけたことを幸運に思います。その女性は 梶原みずほさん と言って昨年の11月に新刊「アメリカ太平洋軍」を上梓しました(講談社Y1800)。肩書は朝日新聞社記者です。

その著書を読み始めて私は深く感動しました。女だてら軍事記事を書くなんて、という陳腐な表現はしません。古臭い言い方です。しかし、世界で最大の、また最強のアメリカは太平洋軍の実情を書いて私たち(書評:週刊誌エコノミスト1月16日号)をうならせました。結果、彼女は私の4番目のインテリ美女図鑑にはいりました。笑  アメリカ国防省への研究員として赴任したのをはじめ、多くの取材源で学んだ事実を、今回の著書で、読者にわかりやすく、伝えてくれました。 さすが新聞記者です。

アメリカ太平洋艦隊(太平洋軍の機構)のハリーハリス長官は38万人の頂点に立つ司令官となりました。長官は日本人との二世です。彼女は現下の世界情勢を平坦な口調で説明しています。その中には、当然ですが太平洋における中国の野望とリスク、危機は核のみという北朝鮮の位置付、複雑な日本の立場、太平洋艦隊は最強の海軍、そして弱気というか穏健派のオバマよりも、アメリカの強い立場を主張できるトランプ大統領の存在。

考えてみると、習近平主席が太平洋に拡張主義を指導しているときに、アメリカでは強いアメリカを標榜するトランプ大統領が選出されたのは、単なる偶然ではないのかもしれないと思います。また、北朝鮮の存在価値は中国にとっては実に重要で、制裁どころか、むしろ、アメリカ追い出し作戦の対策として北朝鮮を後押ししたいのではないかと思えます。また、米韓日の度重なる共同海上訓練を見るにつけ、この海域での武力衝突は、まず結果は誰でもわかっているということになるでしょう。(そういうことを抑止力ともいえましょう)

生き生きとした、著者の文章につい引き込まれてしまうのですが、それは楽しいひと時と言ってよいでしょう。文筆の才能のある人は、419ページの著書を飽きもしないで読む読者を作るようです。