私の感性が弱いのか、先日観た3Dの映画「エヴェレストー3D」にはそれほどの驚きや感激が無かったことを報告します。もともと山に登るとか、ジョージ マロリーが「そこに山があるから」と言ったことなどある程度の山に関してはなじみがありました。しかし、映画が始まると、わたし的には別の意味で驚いたことがあります。それはあの、女性登山家と言われた難波ヤスコさんが登山隊に入っていたことです。

映画が始まって4-5分経ってわかったことは、この映画のテーマは商業登山の悲劇だったということです。しかも、難波さんが出てくるということは、1996年に起こった山岳遭難の実話だということです。そうか、そういう映画だったのか、と私は映画館の椅子に座り直しました。当時私は、難波さんという抜群の女性登山経験者がエヴェレストで遭難したという情報を聞いて、なんてことだ、商業登山に参加して遭難するなんて「無駄死ではないか」と批判的でした。

6万5千ドルも使って、ガイドに自分たちの命というか、運命をゆだねるとは、、、私にはその行為が理解できませんでした。それよりも、私はいわゆる商業登山というものが登場してきたこと自体を理解できなかったのかもしれません。屈強のガイド(8000米の経験がある登山者)とシェルパに助けられて、ヒマラヤの8000米以上のピークに達すること、素人でもお金を払えば高い山に登れること、なんでもお金か、とこの傾向を冷めた目でみていました。

この映画は、3Dメガネを掛けなくとも十分に迫力があります。途中何度も眼鏡を外したりかけたりして、3Dの素晴らしさを確かめましたが、実は今回も(前回はデイズニーランドでした)あまり感動はしませんでした。確かに遭難の場面とか、雪崩の音や響き、クラック(氷壁が割けているところ)をまたがる梯子とか、ナイフリッジ(鋭くとがった尾根)などでは立体的な映像がものを言いますが、とにかくメガネなくても(主催者のTOHOシネマズには申し訳ないですが)十分に立体感を味わえます。そうかといってメガネ使用料300円がもったいないとは言いませんが。