早稲田駅から都電荒川線に乗って、雑司ヶ谷周辺の散歩を企てました。何しろ、池袋の周辺は歩いたこともありません。知らないくせにゾウシガヤという響きもなんとなく懐かしいのです。都電荒川線お出かけガイド、小さな電車でお散歩日和(都交通局)などの案内書をポケットに突っこんで、出かけました。鬼子母神駅は早稲田駅からたったの三つ目の駅ですが、170円の均一料金なので、なんとなく割高感はあります。

駅を降りて歩いてゆくと、どこやら見たことのある門前風景、ケヤキ並木をあるき、なんかデジャブ感にとらわれているうちに、鬼子母神堂につきました。本当なら私設ぐ内所「並木ハウスアネックス」に立ち寄って雑司ヶ谷散歩の情報を手に入れなければならないのですが、木曜日はオヤスミだそうです。すでにポケットからX20というフジフイルムのコンパクトデジカメを取り出して、首にかけています。鬼子母神像の出現は、さかのぼること永禄4年(1561年)ということですので、450年ほどの歴史遺産です。本殿の建立は1664年ですから、340年もの長い間風雪に耐えてきたのです。江戸幕府の誕生も目撃したいたんだなー。

門を入った左手に、有名な(らしいですが)大銀杏の木があります。はるかの高みから庶民の暮らしを見守ってきたのでしょう。ここは一枚撮らねばなるまい、と観光気分をだして歩きまわる私です。なぜ、ここに来た?という疑問は当然です。実は、私4人目の孫ができます。しかも今回は、ジャジャジャジャーン!!女の子ですね。そこで信心深いわたしはここで、安産のお守りを記念に買ったわけです。そのために立ち寄ったと言ってもいいでしょう。「お守りは赤ですか?白ですか?」「もちろん赤です」と、1000円用意。

「お参りする前にお買い求めになりますか?後にしますか?」と普通の巫女さんのような女性に聞かれました。「もちろん、イマデショ!」と私。時々私は変なことで意気込むくせがあるのです。このお堂はうっそうとした木々の中にあり、いい雰囲気を出しています。ゾウシガヤを散策していると思ったらいつの間にか、音楽大学を抜けて都電の雑司ヶ谷駅に着いてしまいました。・途中ヴァイオリンや、いろいろな楽器を抱えた若い生徒に出会って、ああ気分いい、芸術のある環境っていいな、などと思いながら、何枚も撮っているうちにふと足元を見ると、なに? 朝のゴミ収集車の来る前の時間帯なので白いビニール袋に入った燃えるごみがあちこちの電柱などの下に置かれておかれていました。その中の一つにミッキーマウスが首だけ出して転がっていました。かわいそうに、、、そう思うのは私だけではないでしょう。捨てなくてもいいのに。私はとにかくパチリと現実の厳しさを、写真に。

捨てられて なお笑顔たやさぬ ミッキーちゃん

(村上春樹の「女のいない男たち」という本を読んでいたら、いつの間にか文体をパクってしまいました。これって、サムラコウチの文学版??)