こんなにマイナーな梅祭りもないだろうと思います。羽根木公園住宅街の中の小さな公園で世田谷の京王線東松原駅と小田急線の梅ヶ丘駅と環七通りに挟まれています。近所の人たちの散歩の立寄りどころでもあり、また私のような用事のある人が横切るところでもあります。毎年この小さな公園で「せたがや梅祭り」が開かれています。かれこれ37年くらい続いています。

2月23日のタブロイド夕刊紙「夕刊フジ」で「ぶらり街あるき」欄で取り上げていますが、私も縁あってもう4年もこの公園で観梅を楽しんでいるのです。観梅と言えば水戸の偕楽園とか熱海の梅園とかを思い出します。春まだ浅き日々、雪があちこち片隅に残っていて肌寒い日が続いています。梅の花も一度は咲かけて、「また寒さでつぼみに閉じてしまいましたね」と地元の住人が話していました。

狭い講演の片隅に秩序よく植えられている梅の木は、どうでしょうか、わずか300本もあるかどうか、あちこちに句碑が見られます。梅ヶ丘駅側から石段を数歩登ってゆくと、見栄えのいい小さな紅梅があります。これが楚々として美しいのです。梅を見にくる方には「あの角の梅」と言えばすぐわかるポイントにあるのです。ほとんどの人はスマホで写真を撮っていますが、中には私のようなかわり者は肩に重いフイルムカメラで撮る人もいます。梅のお花見が満足できなくても、小田急梅ヶ丘駅前には例の「美登利寿司総本店」があります。そうですね、店の外には10人以上はいつも並んでいますが。

梅はどうやって撮るのか、かならずしも秘訣があるとは思えませんが、アップにして花と枝を撮るのもよし、少し視野を広く、広角とは言わないまでも28-50ミリ程度のレンズで梅の木と観光客を撮るのも一興でしょう。しかし、梅は木々のサイズに比べ花弁が小さいので、地味でまとまりが悪く、なかなか上質な写真になりません。私の近くの百草園という梅の名所でも毎年梅まつりが京王帝都電鉄の肝いりで開かれますが、私自身はこれはという写真が撮れた記憶がありません。

そういえば、JR青梅線の二俣尾駅の近くには吉野梅郷という梅の名所があります。一山すべての斜面に梅の花が咲くので観光客は驚きます。近くの吉川英冶記念館とひとまとめで観光する人たちもいます。お土産はもちろん上質な梅干しです。