京急線金沢文庫駅から歩いて15分、そこには稀代の名刹「称名寺」があります。というより鎌倉時代の名庭園が残されています。かなりの写真仲間がすでに訪れてはいますが、私は初めての訪問でした。期待した通り素晴らしい寺と庭園の作品でした。また幸い時期が時期だけにすべてが黄色の(白も、紫もなし)あやめの花盛りでした。場所柄鎌倉幕府を守る地域にあって、1972年には呼び方を「称名寺境内」と正式に変えています。創立は1258年、そう意味では鎌倉幕府そのもの、よって今回「世界遺産」にはなれなかったのですネ。

正式の入り口仁王門からまっすぐに、砂利道が伸びていて「阿字が池」が赤いアーチの橋で右と左の分けられているのです。橋の真ん中に小さな島があって、信者たちはそこを通って正面の金堂に向かうのです。ということで、必然的にこの寺は北条氏ゆかりの寺ということになります。北条時政から4代目に実時という人がいますが、その人が金沢文庫を創立したのですね。1930年に再興されて、今でも戦国時代の絵画、彫刻、工芸品などが保管されている、と言われています。パンフレットによれば、ここは鎌倉時代随一の浄土庭園で、平泉の毛越寺(1150年ごろ?)とか、いわき市の白水阿弥陀堂(1160年ごろ)とそん色ない立派な作りであります。

そこから海浜へと向かうとバーベキューとハマグリ取りができる人口海浜がありますが、向かいの島が八景島です。近いので、風向きによってはローラーコースターからの嬌声が聞こえてきます。金沢シーサイドラインというローカル線が走っていますが、お台場のゆりかもめのような高架線です。金沢八景駅にでるまでに、旧伊藤博文邸とか、野島公園、展望台を散歩して夕照橋を渡ると、いよいよ金沢八景駅ですが、このあたりがちょうど横浜市金沢区と横須賀市の境目あたりになるのですね。

多摩市の我が家からは京王線―山手線―京急線と電車を乗り継いで2時間かかりました。カメラ片手でなければなかなか足を延ばせるところではないです。八景園もいいですが、八景園周りも悪くないと思いました。でも、わざわざ遠いところから訪れるには、この海浜周りではランチをするところもないのでは、と敬遠される人もいますね、きっと。