夏を過ぎて涼しくなった頃、黒いウオーキングシューズがだめになりました。そこで、ABCマートへ出かけて、新しいスニーカーを物色しましたが、それまで温めていたイメージは白でした。幸い若い男性の店員が協力してくれて、アデイダスのスタン スミス バージョンを見つけてくれました。スタンスミスは私が就職した時代の1960年代に活躍したアメリカ西海岸のテニスの英雄です。

私も中学生時代テニスをやっていましたが、まさか50年後の今日スタン スミスのブランドを身に着けるようになるとは。不思議なことに、足元が白くなると気持ちが明るくなります。又足が軽くなったような気がします。気のせいか、いやいや気のせいだけではありません、散歩やウオーキングの機会がふえました。おかしなことに、このスニカーは私の変形足にぴったりなんです。

それに、NASの受付の女性も「格好いいですね」と言ってくれたり、知り合いも、家族も「よく似合いますね」と言ってくれました。私は生来お世辞に弱いので、そういう一言で気持ちがうきたったのでしょう。突然のようにファッションに目覚めた私は、新しい細身のジーンズを買ったり、ソックスを取り替えたり、セーターを冬に合わせて補給したり、いろいろ気にかけています。

かつて、サンタモニカあたりでうろうろしていたら、海岸べりのホテルから白いスニーカーに白いロングパンツを穿いた男女が出てきたりして、外国人のファッションに感心したこともありました。私が白いスニーカーを履いても何ほどのこともないのはわかってはいますが、やはり身に着けるものを新しくしたりすると、少しは心理に影響が出るものです。