日本時間の11.5日午後、大方の開票が終わったアメリカから、大統領選の情報がどんどん入ってきている。日本時間の午後3時現在、バイデンは代理人264人を確保し、トランプは214人であった。大きく差が開いた次点で、バイデンが当選の挨拶もどきの演説をして、当確の自信をほのめかしている。アメリカは衰えたとはいえ、やはり大きい。私は日本の総理大臣選出の、自民党によるやらせのような、自己中心の茶番劇には興味なく、他国のアメリカの選挙に大いに関心を持った。秩序が乱れたとはいえ国民の大統領直接投票には意義がある。

全国民参加の大統領選はオバマの時も、ニクソンの時も、ブッシュの時も、レーガンの時もダイナミックで、活気にあふれていた。バイデンの当選直前の、演説はチカラ強く、「民主主義をまもれ」と国家の、そして憲法の原則である民主主義を表明したので、安心したのである。いずれの国家にも 社是のような、国民を代表する思想哲学が語られるものだ。日本ではそれは、惜しいかな平和であり、香港では多分独立だろう。そしてフランスは、今でも貴重な血を流して必死に守る国家の哲学は自由主義だろう。

トランプは乱暴なやり方で国を、成長を、富を取り戻そうとあがいた。支持者が多く、トランプの支持率は40%を4年間保たれた。カナダのマクギル大学というところで教鞭をとるミンツバーグという教授は、アメリカは今、改革とファシズムのどちらかをとるかの分岐点にきていると説いた(世界最高の経営教室 広野彩子)。ドイツではファシズムの台頭は今国民の15%にまで来ているが、アメリカは、「アメリカン ファースト」を標ぼうするトランプ大統領のもとで、危険な資本主義をなりふり構わず推し進め、支持者は40%もある。

という近代経営学の学者の目から見て、共和党から民主党への転換は、資本主義を修正して、再び成長する、そして世界の指導者の地位を取り戻すアメリカにとっては、また資本主義諸国側にとっては正解なのだ、と思いたい。

解説者みたいな口調になってしまったが、民主主義を守るということは、至難だろうと思う。日本も戦後戦後75年を経ても、いまだに憲法が保障する個人を尊重する社会は到来していないのだから。