久しぶりの美術鑑賞でした。ここページでは決してケチをつけるのが目的ではないですが、大きな失望でした。1990年代に通ったあのNYメトロポリタン美術館の壮大な構え、膨大なコレクションなどの面影はなかったです。彫刻も混ぜて133点しかなかったのですから無理もないですが、小品ばかりに思えました。そのうえ東京都美術館は大規模な美術展にはふさわしくない、雑然とした、狭いところで、メトロポリタンを迎えるにはまったくチグハグ。石原元都知事もこの美術館をほっぽって国政に逃げて行ったとしか思えないです。

そうですね、教養の足らない私が認識できた絵画はせいぜいゴーガンの「水浴するタヒチの女」、ルノワールの「浜辺の人物」、ゴッホの「歩きはじめ、ミレーに拠る」と「糸杉」そしてターナーの「ヴェネツイア、サンタマリア、、」セザンヌの「レスタックからマルセイユ湾を望む」くらいでした。ほかにケンセットの「海上の日没」、ジョージアオキーフの「骨盤 II」が印象に残りました。それらの作品の前ではちょっと足を止めて、じっくり鑑賞させてもらいましたが、平日のためか場内はすいていて、むしろガラガラと言っていいでしょう。熱気がなかったのがいまどき珍しい。中には逆光を描いて、写真で表現したらさぞかし難しいことになるだろうなと思わせる絵もありました。

今回の企画は自然をテーマに「自然と人間」とか「自然とはなにか」「動物」というコンセプトで絵画や彫刻をくくって並べましたが、このテーマいかにも不自然というか、取ってつけた感じです。笑 ということで、糸杉だけが際立って人々の注目を浴びたと言いたいのですが、その糸杉の絵の前も特に人だかりがあったわけではなかったのです。この企画で、大人1600円はいかにも高かったとの印象でした。むろん保険証など携帯していれば1000円で入場できたのですが。恒例で記念のため買った絵葉書は、ヴラマンク、モネ、ターナー、セザンヌの4点、彼らならいかにも私たち永風会の写真の構想を絵画と融合できる作家ではないでしょうか。

いつも名画を見ていると、いざ写真を撮るときに自然に構想、構図などがファインダーに固定されてくる。という飯島先生の指導に忠実なわたしです。さて、結論です。オペラにおける五反田のゆうぽとホール(名称不確か)同様、もうここには来ないだろうなと私の選択肢から抜け落ちた会場でした。