この全身刺青の女が全編を通しての、主人公です。名前は 「リスペット サランデル」と言います。最初は「ドラゴンタトウーの女」という映画でした。ダニエル クレイグがやとわれ探偵として活躍、そしてリスペットを部下として採用しています。リスペットは少女時代には不良少女として施設に強制収容されましたが、成人になると、ハッカーとして、またPCを使った人物調査の面で特異な才能を発揮するキャラです。

原作はステイーグ ラーソンというスエーデン人ですが、小さな国家から8000万部という世界的なヒット作を輩出したことには感嘆しました。日本ではもうご存知の方も多いかと思いますが、文庫本では ミレニアム1,2,3、4が早川書房からでていて、

1.ドラゴンタトウー 上下巻
2.火と戯れる女 上下巻
3.眠れる女と狂卓の騎士 上下巻
4.第4巻上下

というシリーズです。

わたしの読書のスピードは速いわけではなく、いまのろのろと進んでいますが、実はミレニアムの2は少々かったるい、と言うかだらだらとしたストーリーの進み方なので、私のスピードも鈍っているわけです。

ともあれ、殺人犯に擬せられたリスペットは警察の懸命な捜査の目を逃れて、これから真犯人を見つけるために、雑誌ミレニアムの編集長 ミカエル ブルムクヴィスト の力を借りて、官憲に立ち向かうのです。血沸き肉躍るとまでは言いませんが、小さな正義が大きな組織と対立する図はいつもながら、頼もしい。

映画から入って、小説に向かうというプロセスは私のよくあるパターンですが、ミレニアム シリーズもまず映画で虜になってしまいました。とりわけ面白いのは、スエーデン人の性や恋愛に対する理解が私たち日本人とはかなりかけ離れているということ。又、小さな女性が超人的活躍をするということなどで、興味は尽きません。読み始めると厄介ですが、チャレンジする価値はありそうです。