トップの6からシフトダウンして5で、アクセルをふかす。車はターボの威力を発揮して、ぐーんと飛び出して左車線の車を次から次へと追い抜く。境川SAで10分ほど仮眠して、気分は爽快、そこから勝沼まで約5キロの直線をオートからマニュアルに変更したレヴォーグでクルージングを楽しむ。マニュアルの6では加速しない。多分ギア比が小さいからだろう。5に落としてから踏み込むと、強い加速で車は飛び出す。

この日は高速道路は空いていた。助手席にだれも座らずひとりなので、好きな運転姿勢を続けられた。レヴォーグを入手してから2か月、まだ思い切って走ったことが無い。今は冬だし、今年は雪の日が多く、遠出する機会も少ない。レヴォーグは2種あるが私は1.6L、ターボのほうである。心に加速の火がついてしまった私は、勝沼から笹子トンネル入り口まで100キロスピードで坂を上り、またトンネルを抜けて大月までの下りは110キロくらい。もともとくだり坂はあまりスロットルを開けないわたしは、反射神経、運動神経も弱いので、常にやや抑え気味に運転する。

途中一台だけ派手なスポーツタイプの車に抜かれた。談合坂SAで休んでいるのを見かけたが、ルノ-のメガーヌでツードアだった。日本では珍しいメガーヌだが、確かにこの車だとすっきりと走りたくなるだろうと察した。スバルの専売である水平対向のエンジンは足に4輪駆動を穿いて、しっかりと地面をつかまえながら走る。今回も100キロ以上のスピードで、かえって安定する車ということを証明した。一つ気がかりなのは最低地上高が130ミリということ。レガシーでは150ミリ、アウトバックでは200ミリだった。その分高速道路を下りてローカルを走るときは、車の下っ腹には気を遣うことがある。

今まで何度もスバルを卒業して違うブランドに行きたいと思ったが、なかなかスバル離れができない。すでにスバルだけで4種も乗り換えてしまった。それほどスバルは魅力があるのだろう。スバルは強く五感に訴える車なのだ。水平対向のエンジンは他の縦型レシプロエンジンに比べて10センチも低く、その分余裕ができて重心の低いエンジンルームを実現できる。そういうことならば、走行安定性はぐんと増すのだ。スバルを転がす楽しみを捨てられない、いい年をした自分なのだ。