近畿ツーリストのキャンペーン風にいえば「百草園の梅と日本そばを楽しむ日帰りの旅」というところでしょうか。2月20日になると京王線の沿線の百草園(駅名でもあります)が梅たけなわになり,梅まつりを迎えます。百草園(入場料金300円)には各駅停車で百草園駅に降りればいいのですが、おすすめは、新宿から準特急に乗って聖蹟桜ヶ丘駅で降りて、徒歩40位の散歩をして、蕎麦屋の“むら岡”でおいしいそばを食してから入場する手があります。

梅の花見は桜に比べれば地味で、あまり人気がないのですが、百草園は伝統の強みもあって、2~3月に週末には大勢の人が押し寄せます。百草園は庭園になっていて散策ができます。正岡子規の歌碑もあり、また茶屋もあります。梅の季節は長く一か月もつづきますので、思い立って出かけても十分間に合うということです。ただ、いうまでもなく梅は花が小さくて地味です。梅より早く、すでに蝋梅が咲いていますが、気にしなかったら見逃しそうです。百草園は山の中腹にあるため、園内散歩は小さな坂を上がったり下がったり、私たちにはちょうどいい運動になることも確か。私の場合は我が家から散歩の範囲です。

京王電鉄では毎年カレンダーを発行していますが、今年も2月のページには百草園の梅の写真が使われています。梅を撮るなら、山全体を撮るのがいいようです。梅の一厘を撮るのは難しいのです。このカレンダーに使われている写真も百草園の全景を、手前に梅の木々を入れて俯瞰して撮っていますので参考にはなります。ただ、梅の花をアップで撮るアマチュアカメラマンも少なくないです。

2月10日現在では梅の木はいまだ寒さに震えていて、わずか数本の紅梅と黄色い蝋梅が咲いているだけですから、花見というわけにはいきませんが、気の早い熟年夫婦はそぞろ歩きを楽しんでいます。中には茶店でセットの「饅頭とお茶」を買って縁側で楽しむ人たちや、ヨモギそばを食べる人たちを見かけますが、私の経験では緑色のヨモギそばおすすめできません。ここだけの話、ヨモギの香りには辟易してしまうでしょう。

さて、“むら岡“ですが、目印は東電学院の横の村道ですが、歩くのが嫌いな人は、聖蹟桜ヶ丘駅からタクシーで1000円くらいです。もう6年も営業を続けていますが、健在です。メニューも増えてきて、かも汁の付けそば、キノコの天ざる、など田舎の隠れ家らしいソバがあります。ともあれ、春の一日、そばを食べて、梅の花見をすること、気持ちが晴れます。私にご一報いただければ、喜んでご案内します。ちなみに、この蕎麦屋は、火、水、木がお休みになっています。